Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
佐藤 優樹; 村上 浩之*; 嶋岡 毅紘*; 坪田 雅功*; 金子 純一*
Japanese Journal of Applied Physics, 55(4), p.046401_1 - 046401_5, 2016/04
被引用回数:4 パーセンタイル:19.99(Physics, Applied)化学気相成長法(CVD)により育成した人工単結晶ダイヤモンドを用いて放射線検出器を製作し、検出器のエネルギー分解能、生成電荷キャリアの収集効率、及び長時間安定性の調査を行った。検出器固有のエネルギー分解能は半値幅で約0.4%であり、Amから放出される4つのエネルギー(5.389, 5.443, 5.486及び5.545MeV)の粒子の観測ができた。電荷キャリアの収集効率は電子、正孔ともに98%を達成し、さらに、主として電子を検出器内でドリフトさせた場合、100時間以上の粒子照射でもエネルギースペクトルや分解能の劣化は見られなかった。一方で、主として正孔を検出器内でドリフトさせた場合、照射時間と共にエネルギースペクトルが劣化するポーラリゼイション現象が観測された。
鈴木 祐未*; 中野 寛子; 鈴木 善貴; 石田 卓也; 柴田 晃; 加藤 佳明; 川又 一夫; 土谷 邦彦
JAEA-Technology 2015-031, 58 Pages, 2015/11
テクネチウム99m(Tc)は、核医学分野で一般的に使用される放射性同位元素である。日本原子力研究開発機構では、材料試験炉(Japan Material Testing Reactor: JMTR)を用いた放射化法((n,)法)によるモリブデン-99(Mo)製造に関する開発研究が行われている。一方、2013年10月に「核医学検査薬(テクネチウム製剤)の国産化」として新規プロジェクトがつくば国際戦略総合特区に採択され、JMTRを用いたMo/Tc国産化のための実証試験が計画されている。このため、本プロジェクトの一環として、2014年に新しい設備や分析装置をJMTRホットラボ施設内に整備した。本プロジェクトにおける分析装置整備の一環として、Mo/Tc溶液及びその溶液から抽出されるTc溶液等の品質検査のために-TLCアナライザー及びHPLC用放射線検出器が導入された。これらの分析装置は、Mo/Tcの代替核種としてCs, Euを用いて検出感度, 分解能, 直線性, エネルギー範囲の選択性などの性能確認試験を行った。この結果、これらの分析装置を用いることにより、溶液の品質検査の見通しを得た。本報告書は、それらの性能確認試験結果をまとめたものである。
影山 十三男; 菅谷 伸一; 河野 秀作; 樋口 英俊; not registered; 木幡 正人*; 野田 吉範*
JNC TN8400 2001-026, 29 Pages, 2001/12
Np含有MOX燃料中のNp含有量を測定するために、吸光光度法による測定条件について検討した。試料溶液中のNpの原子価をIV価に調整した後、727nmの吸収ピークの吸光度を測定することにより、Np濃度を求めた。本法の検量線は、Np濃度0.8mg/mlまで直線性を示した。また、Np溶液にPu,U量を各々Npの30倍量、60倍量まで添加したが、この範囲ではNp分析値への影響はなかった。本分析法により、2%Np含有MOX燃料を想定した試料中のNp含有量を分析したときの相対標準偏差(RSD)は約4%であった。さらに、物性測定試験に用いるNp含有MOX燃料の原料粉中のNp含有量を測定した。その結果、本法はNpをPuとUから分離することなくNp含有量を測定できることを確認した。本分析法は、物性測定試験用のNp含有MOX燃料中のNp含有量を分析するための迅速簡便法として十分適用できる。
片桐 政樹
電気学会原子力研究会資料(NE-01-23), p.9 - 14, 2001/10
新しい素材という観点からは、バンドキャップエネルギーが最も大きいダイヤモンド検出器及び逆にバンドキャップエネルギーが最も小さなInSbを取り上げる。ダイヤモンド検出器はその大きなバンドギャップエネルギーから想像できるように、高温での使用が見込まれる放射線検出器と成りうる。一方、InSbについてはバンドギャップエネルギーが小さく、電子・ホールの電離エネルギーが非常に小さくなることが予想されるため、大きな信号出力が得られることからX線スペクトロスコピーに不可欠なエネルギー分解能の改善が見込まれる。また、小型のスターリング冷却器を用いた冷却方式について計測システムとしての現状を報告する。特に、携帯線計測システムとして、電源を入れると短時間に冷却が完了し線スペクトル分析を開始する機能を持ち、かつ取り扱い操作が簡単なポータブル電気冷却式Ge線スペクトルモニタの実用化について述べる。
西谷 健夫
Isotope News, (569), p.2 - 4, 2001/10
ダイヤモンドは、高温や高い放射線環境下でも作動し得ることから、ITER等の厳しい環境下で動作する放射線検出器としての応用が期待されている。しかし市場に流通している人工ダイヤモンドでは不純物が多くて問題がある。そこで、不純物の低減化が容易とされる化学気相合成(CVD: Chemical Vapor Deposition)法を用いた人工ダイヤモンドの使用を試みてきた。最初のCVDダイヤモンドは多結晶体であったため荷電粒子の捕獲・損失が無視し得なかった。今回、単結晶のCVDダイヤモンドの合成を実現し、世界で初めて放射線検出器としての動作に成功した。
加藤 智子; 石原 義尚; 鈴木 祐二*; 内藤 守正; 石黒 勝彦; 池田 孝夫*; Richard, L.*
JNC TN8400 2001-003, 128 Pages, 2001/03
高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価では、地下深部に埋設された高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性核種が地下水によって人間の生活環境に運ばれることを想定し、その移行プロセスと被ばく経路からなる生物圏モデルを作成して線量を推定する。安全評価は極めて長い時間を対象とするため、一万年先頃に到来すると考えられる地球規模の氷期などの気候変動により、地球規模で地表の環境は著しい影響を受けることが想定されるとともに、人間生活への影響も大きくなる。このような気候変動や関連する要因により、現在の生活環境と比べはるかに異なる環境に放射性核種が流入することを想定する必要がある場合には、その起こりうる将来の環境の状態と整合性を図った代替の生物圏モデルをいくつか想定しておくことが合理的であると考えられる。本報告書では、気候変動による生物圏システムへの影響を生物圏モデルに取り入れた場合、その影響がどの程度のものとなるかを把握することを目的に検討を行った。検討にあたっては、気候変動によるシステムへの影響の取り扱いについては世界中に現存する気候状態をアナログとして利用し、作成された生物圏モデルから求まる線量への換算係数を、現在の気候状態を想定したシステムのものと比較することによって行った。
田中 照也; 金子 純一; 竹内 大輔*; 角谷 均*; 片桐 政樹; 西谷 健夫; 竹内 浩; 飯田 敏行*; 大串 秀世*
Review of Scientific Instruments, 72(2), p.1406 - 1410, 2001/02
被引用回数:8 パーセンタイル:46.78(Instruments & Instrumentation)従来の高純度IIa型ダイヤモンド放射線検出器では、結晶中の不純物に起因する電荷キャリアの捕獲が問題となっていた。そこで今回、窒素不純物を従来の1/10(0.1ppm)に低減した高圧高温合成超高純度IIa型ダイヤモンド結晶を用いてダイヤモンド放射線検出器を製作した。正孔のドリフトが信号形成の主体となる条件で測定した5.486MeV線のエネルギースペクトル中に複数のピークが観測された。このことは、結晶中に特性の異なる複数の領域が存在していることを示す。そのうちの一つのピークは、従来の高純度IIa型ダイヤモンド検出器と比較して、370nmの紫外光照射の影響を受けにくかったことから、結晶の一部分は不純物の影響が少なく、検出器製作に適した特性を持っている可能性が高い。
古高 和禎
JNC TN8400 2000-028, 70 Pages, 2000/10
本報告は、著者が核燃料サイクル開発機構において、平成9年11月から平成12年10月までの期間に博士研究員として行った研究内容をまとめたものである。本報告は、二つの内容に分かれる。すなわち、一つは、熱中性子吸収断面積の測定の高度化に関する研究である。今一つは、HHS検出器を用いた光核反応断面積の微細構造測定の高度化に関する研究である。1)放射化法を用いた線測定による熱中性子吸収断面積測定において、得られる結果の精度に影響を及ぼす主な要因には、線収量の統計精度の他に(1)線ピーク検出効率の校正精度、及び(2)線放出率の精度があげられる。本研究では、高速三次元同時計測システムを作成することにより、(1)線ピーク検出効率を精密に校正するための、-同時計測法を用いた標準線源放射能の精密測定、及び(2)短寿命核の線放出率の精密測定に用いるための、線検出器にプラスチックシンチレータを用いた-同時計測法の開発及び、それを使用した100Tcの線放出率の精密測定を行い、熱中性子吸収断面積測定の高度化を図った。2)熱中性子吸収断面積が小さい核種に対しては、巨大共鳴領域の線を用いた光吸収反応による核変換が提案されている。光吸収反応による核変換を効率的に行うためには、光吸収断面積の入射線エネルギー依存性を詳細に知る必要がある。本研究では、高分解能高エネルギー線スペクトロメータ(HHS)を用いた光吸収断面積の微細構造測定をより精密で信頼できるものとするために、精密なモンテカルロシミュレーション計算を実施し、検出器の標準線応答関数の整備を行った。
not registered
JNC TN4420 2000-009, 11 Pages, 2000/06
「発電用原子炉施設の安全解析に関する気象指針」(以下「気象指針」)に基づき、高速増殖炉もんじゅ建設所(福井県敦賀市白木地区)における気象観測を実施した。「気象指針」は、発電用原子炉施設の平常運転時及び想定事故(重大事故及び仮想事故)時における線量当量評価に際し、大気中における放射性物質の拡散状態を推定するために必要な気象観測方法、観測値の統計処理方法及び大気拡散の解析方法を定めたものであり、昭和57年1月28日付の原子力安全委員会決定(平成元年3月27日及び平成6年4月21日に一部改定)によるものである。なお、白木地区における気象観測は、昭和51年11月より継続して実施している。
井口 哲夫; 渡辺 賢一*; 萩田 利幸*; 野瀬 正一; 原野 英樹; 伊藤 和寛
JNC TY9400 2000-019, 34 Pages, 2000/05
レーザー共鳴イオン化分光法は、近年、超高感度の微量元素分析や効率的な同位体分離などの先端技術として脚光を浴びており、レーザー性能の向上と相まって、さらに広範な工学応用への展開が見込まれている。本研究は、このレーザー共鳴イオン化分光と質量分析計からなるRIMS(Resonance Ionization Mass Spectrometry)を活用し、従来のXe,KrなどのFPガスモニタリングによる破損燃料検出及び位置決め法(Failed Fuel Detection and Location:FFDL)の高精度化及び高性能化とともに、技術革新の可能性を検討するものである。平成8年度から11年度に渡って、核燃料サイクル機構先行基礎工学分野における協力研究の下で、東京大学工学系研究科原子力工学研究施設に設置された高速中性子科学研究設備(共同利用設備)のレーザー共鳴イオン化質量分析システムを用い、Xe,Krの検出限界やS/N比などの基本性能を明らかにする基礎実験と理論的評価とともに、高速実験炉「常陽」のカバーガス分析を対象とする実証試験を行った。その結果、本研究で提案するRIMS-FFDL法は、従来のFFDL法と比較して、感度、S/N比、迅速検出性の基本的な要求性能を同時に満たすことができ、さらに「もんじゅ」で使われるタグガス法と組み合わせると、オンラインで簡便にFPガス同位体比分析が行える画期的なFFDLシステムの構築が可能との結論が得られた。
谷村 嘉彦; 金子 純一; 片桐 政樹; 池田 裕二郎; 西谷 健夫; 竹内 浩; 飯田 敏行*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 443(2-3), p.325 - 330, 2000/04
被引用回数:36 パーセンタイル:88.42(Instruments & Instrumentation)高温高圧合成法によってつくられた高純度IIa型単結晶ダイヤモンドをもちいた放射線検出器を196までの高温環境下で動作させた。高温環境下で顕著化する漏れ電流を抑制するため、ショットキー電極とオーミック電極からなる表面障壁型構造をTiをもちいて実現した。I-V特性を25~200までの温度範囲で測定した結果、検出器は整流性を示し、高温環境下においても測定に必要な高電圧を検出器に印加可能であることがわかった。Amからの5.486MeV線を測定した結果、人工ダイヤモンド放射線検出器が150程度の高温環境下でもエネルギースペクトロメータとして動作することを確認した。また検出器温度25で測定された5.486MeVスペクトルと比較して、68で測定されたスペクトルはピーク位置が高エネルギー側にシフトし、エネルギー分解能も向上した。これは電荷キャリアである正孔に対する捕獲-再放出温度が温度上昇によって抑制され、電荷収集率が改善された結果である。また検出器温度が150をこえると電荷損失が顕著になり、196では分極現象によって測定を継続することができなかった。
田阪 茂樹*
JNC TJ6400 2000-007, 48 Pages, 1999/03
平成8年度フォトダイオード(PD)を用いた水中ラドン検出器(PD水中ラドン検出器)が開発された。この検出器を試錐孔の深さ1mに投入して、水中ラドン濃度を測定している。水中に溶解しているラドンガスは検出器の底部開口端に装置されている機能性ガス分離膜を透過して検出器に入ってくる。検出器内のラドンは崩壊してラドン娘核種を生成する。このとき娘核種は正イオンになっているので、静電捕集法を用いてPDの表面に集められ、それらの放出するアルファー線のエネルギーを高精度で測定する。平成9年12月から、PD水中ラドン検出器を使用して、露天掘場跡地中央のH1試錐孔における観測を開始した。しかし、この井戸では地下水の流動が非常に少なく、硫化水素やメタンなどの不純ガスが発生して水中に溶解しており、ラドンガスといっしょに検出器内に入ってくる。そのため、PDを用いた静電捕集法では、ラドン娘核種が不純ガスや水蒸気の影響で電気的中和作用をおこして、ラドン検出器感度が低下することが判明した。そこで平成10年度は、光電子増倍管(PMT)とシンチレーターの組み合わせによる水中ラドン検出器(PMT水中ラドン検出器)の開発に取り組んだ。PMT水中ラドン検出器は静電捕集法を用いてないので、PD水中ラドン検出器よりも効率よくラドンを検出器よりも効率よくラドンを検出できることが期待される。光電子増倍管には浜松ホトニクス(株)の「R7354」を、シンチレータは化成オプトニクス(株)の「ZnS:Ag」を用いた。新たにPMT用の増幅回路と高圧回路を製作した。検出容器はPD水中ラドン検出器とまったく同じのものを使用した。次の3つの異なるガス雰囲気中でラドンの検出感度を求める実験を行った。第1は二酸化炭素ガス雰囲気中、第2は窒素ガス雰囲気中、第3は純空気中で相対湿度が10%から60%の雰囲気中のであるその結果、PMT水中ラドン検出器のラドン濃度校正係数は、3つの異なるガス雰囲気中でも、0.590.07[(count/h)/(Bq/m3)]とほぼ誤差の範囲内で一定であることが分かった。一方、PD水中ラドン検出器のラドン濃度校正係数は、0.045から0.089[(count/h)/(Bq/m3)]の範囲で変化することが分かった。新しく開発されたPMT水中ラドン検出器は、PD水中ラドン検出器と比較して、約7倍以上のラドン検出感
金子 純一; 池田 裕二郎; 西谷 健夫; 片桐 政樹
Review of Scientific Instruments, 70(1), p.1100 - 1103, 1999/01
被引用回数:22 パーセンタイル:77.39(Instruments & Instrumentation)ダイヤモンド放射線検出器はC(n,)Be反応を用いることで14-MeV中性子エネルギースペクトロメータとして動作する。さらにダイヤモンド放射線検出器はコンパクトサイズ、高検出効率、十分な耐放射線性等の優れた特長を持つ。そこでダイヤモンド放射線検出器はITERにおけるプラズマイオン温度分布測定システム用14-MeV中性子エネルギースペクトロメータの有力候補と考えられている。最近の結晶合成技術の進歩により、高純度単結晶ダイヤモンドの入手が可能になってきている。それらの結晶を用いて放射線検出器を試作し、14-MeV中性子に対する応答関数測定を行った。その結果C(n,)Be反応で生じたピークを人工ダイヤモント放射線検出器として初めて観測することに成功した。
金子 純一; 片桐 政樹; 池田 裕二郎; 西谷 健夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 422, p.211 - 215, 1999/00
被引用回数:24 パーセンタイル:84.01(Instruments & Instrumentation)ダイヤモンド放射線検出器の分極現像を抑制するため、イオン注入法に代わる照射損傷のない方法として、合成ダイヤモンド単結晶上にボロンをドープしたCVDダイヤモンド層を成長させ電極として使用することを試みた。試作した検出器は5.486MeV線に対して0.39%の高いエネルギー分解能を持ち、エネルギー分解能を保持したまま、50cps以上の計数率で安定して測定を行うことができた。一般にボロンをイオン注入法でダイヤモンドに打ち込んで作製した電極はインジェクション電極として説明されてきたが、本検出器ではブロッキング電極として動作していることがわかった。
not registered
PNC TJ1600 98-004, 50 Pages, 1998/03
原子炉施設、核燃料取扱施設においては、作業環境中の空間線量率や放射線業務従事者の被曝管理のために、中性子、線の線量測定が不可欠である。中性子検出器の一つである過熱液滴型検出器は高感度な中性子線量計としてこの分野の要求に応える有望な検出器である。作業環境はしばしば中性子・線(或いは陽子や電子など)混在場であることが多く、また厳しい温度条件下におかれる場合も少なくない。種々の環境で線量測定を行なうためには、広範な放射線に対する過熱液滴型検出器の放射線検出動作の一般的理解が重要である。本研究はこれまで実施してきた過熱液滴型検出器の放射線検出動作の解析や基本特性の取得をすすめると共に、その結果に基づき、この型の検出器の現場の放射線管理への適用性を明らかにすることを目的としている。このために今年度は以下の検討を行った。(1)過熱液滴型検出器の試作とその検討(2)過熱液滴型検出器の基本特性の把握1.中性子検出感度の温度・圧力および中性子エネルギー依存性2.線検出感度の計算(3)放射線管理への適用性の調査検討1.エネルギー弁別検出器の可能性2.線量評価法3.検出感度の温度依存性の補償
金子 純一; 片桐 政樹; 池田 裕二郎; 西谷 健夫
Advanced Materials'98;Advanced Materials Research Utilizing Extreme Conditions, p.257 - 260, 1998/00
人工ダイモンドを用いた放射線検出器を開発した。すべてのタイプのダイヤモンド放射線検出器が線に対して感度をもった。特にIIa型ダイヤモンドを用いた放射線検出器はエネルギースペクトロメータとして使用可能なエネルギー分解能を持った。しかし最も高純度なIIa型単結晶ダイヤモンドを用いた放射線検出器でも電子に対する電荷捕獲が顕著に観測され、結果として分極現象が生じた。分極現象を抑制する方法としてボロンドープCVDダイヤモンド電極を適用し、シリコン表面障壁型半導体検出器とほぼ同等なエネルギー分解能を持ちながら、実用的な計数率で規定可能な検出器の開発に成功した。
角田 恒巳
放射線, 24(1), p.41 - 48, 1998/00
種々の技術分野において計測媒体として広く利用されている光ファイバーの放射線計測への利用について述べた。光ファイバーの利用にネックとなっていた耐放射線性の問題も改善され、医療分野から原子炉ドシメトリーにいたる広範な放射線計測への利用研究が進展している。本稿では、まず、光ファイバーの利用に不可欠な耐放射線性の改善について述べ、次いでプラスティックファイバーや石英ファイバーを利用した種々の放射線計測法について、その形態や方法、提案などの実例をあげた。今後、放射線と共に、温度、圧力など他の物理量を同時に測定できるマルチパラメータ計装へと展開が期待される。
羽様 平
PNC TN9410 97-093, 67 Pages, 1997/10
ミハルゾ法による未臨界度測定において、カリフォルニウム(Cf)線源検出器の線源強度、及び、測定体系に設置されるCf線源検出器と中性子検出器の配置が、測定結果に与える影響を実験的に評価した。Cf線源検出器を設置しない場合に体系中で発生する中性子(バックグラウンド)が、Cf中性子源の強度に対して無視できるレベルであれば、Cf線源の強度を変えても測定値及びその統計誤差には影響が現れず、線源強度を強くしても、測定結果の改善にはつながらない事が確認された。一方、中性子バックグラウンドのレベルが高くなると、レベルに応じて直接の測定値であるスペクトル比が小さくなり、正しい未臨界度(実効増倍率)を得るには、バックグラウンドのレベルを基にした補正が必要となる。測定値の統計誤差は、バックグラウンドの寄与が90%まで増大すると、2倍になることが確認された。ミハルゾ法による未臨界度測定の検出器配置に対する依存性を、検出器の視野を用いて補正する手法を検討した。補正によって、検出器配置に依存しない一定の測定評価値が得られることが確認された。
not registered
PNC TJ6622 97-001, 38 Pages, 1997/03
地下水中のラドンの挙動解析をするために、地下水中の原位置ラドン測定装置の開発とその実用試験を行った。本測定装置は検出部とデータロガー部から構成されている。検出部は直径60mm、長さ300mmで、数10mの試錐孔に直接投入することができ、ラドンガスは開口部に装着されている機能性ガス分離膜を通過して検出部に導入され、PINフォトダイオードを用いて静電捕集法で検出される。またデータロガー部は商用交流電源のない屋外でも、自動車用鉛畜電池4個で約60日間の連続観測が可能で、観測終了後は押しボタンスイッチでパソコンにラドンデータを転送することができる。本装置の実用試験が、平成8年12月17日から動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所夜次露天採掘場跡地のNo.18とNo.17モニタリング試錐孔と用いて実施された。No.17は平成9年1月29日で終了して、No.18は約8ヶ月間にわたり現在も継続されている。これらの観測結果から次のような観測事実が判明した。(1)平成8年12月17日から平成9年3月31日の観測期間では冠雪と雪解けによる水中ラドン濃度の変動が顕著である。約20m離れたNo.17とNo.18試錐孔の、冠雪による水中ラドン濃度の変化の様子は大きく異なることが判明した。冠雪によってNo.18試錐孔では水中ラドン濃度は約10倍の50(Bq/l)に急激に増加し、No.17試錐孔では水中ラドン濃度は約10分の1の0.06(Bq/l)まで減少した。(2)平成9年4月1日から平成9年7月21日の観測期間では、水中ラドン濃度は222Rnの崩壊曲腺に従って減衰する時期と、降雨によって急に増加する時期が繰り返し観測された。No.18試錐孔においては、平成9年5月21日、5月27日、6月6日、6月28日、7月8日の降雨による水中ラドン濃度のはっきりした増加が5例観測された。そのうち、平成9年6月28日と7月8日の降雨において、日雨量によるラドン濃度増加率を求めてみると約15[(Bq/m3)/mm]と測定された。
not registered
PNC TJ1615 97-002, 33 Pages, 1997/03
人形峠事業所で運用されているラドン校正チェンバでの校正手法について、将来的なニーズも視野に入れながら、昨年度までの研究成果をふまえ検討を行った。設計・建設段階での限定されたpassive型モニタの校正法については、現設備でも充分であると考えるが、例えばapssive型のモニタの動的特性までも考慮した校正手法の高度化に対する要求及び近年開発される新しい形式のラドン測定器に対応しうるような多様化された校正手法の確立に対する要求は将来的には充分起こりうるものである。よって、これらの将来的に起こりうる要求に対して考えられる問題点について昨年度までに行った研究成果をふまえ、それらのうち特に重要度の高い課題、すなわちラドン濃度のコントロール手法及び濃度変動に敏感に検知し表示しうるラドン濃度測定器などの、最低限必要と思われる設備・付加機能について具体的に検討を行い、考察を行った。